ゆうきカイロプラクティック

辞書

2021.06.01 | コラム

先日、部屋の片づけをしていると辞書を見つけました。
学生時代、勉強するときに使っていた医学事典。
最近手に取らなくなったなー、
というのも今はパソコンやスマホを使って調べることができるようになったから。
文字から検索して調べる手間もなくなり...本当に便利な世の中になったものです。

しかし、こんな便利な時代になっても変わらないもの。
それは「経験」だったり、「感覚」だったり。
特に身体を扱う仕事であれば、この感覚が非常に重要ということは言うまでもありません。

約20年前。
「整体の技術を習いたくてきました」とカイロプラクティックの学校の門を叩き
「カイロプラクティックは整体と違います」と言われた授業初日。
何も知らなかった18歳の私に、先生は真剣な顔で話をしてくださいました。

「皆さんはこれから人の身体に触れ、問題の箇所を特定し、アジャスト(矯正)をしていきます。」

「早くアジャストできるようになりたい、と思うかと思います。もちろんアジャストの技術を磨くことはとても大切です。」

「しかし、もっと大事なのは診断力。診断のないアジャストは、暴力です。それほど怖いことはありません。」

「常に触診力。指の感覚を鍛えることが重要です。もちろん、人の体に触ることが1番触診力がつきますが、今から1人でもその感覚を鍛える方法をお教えします。」

と、先生が取り出したのが、1冊の辞書。
そこに1本の髪の毛を入れ、しおりのようにして1ページ重ねます。

「この上から髪の毛をなぞってみてください。辞書は紙が薄いですから、髪の毛の感覚がわかりますね?これが何ページまでわかるか、家で毎日やってください。」

そういわれて、家に帰ってから勉強以外にもこの辞書は使っていました。
何ページかすすむと、本当にここにあるのか~と何度もなぞっていました。

毎日毎日、なぞってなぞって悩んだ辞書。ページが増えるたび、うれしかった辞書。調べるだけの辞書とは違う、思い出もページに刻まれた自分だけの辞書。
あまり使わなくなってしまった今でも、見える位置に置くことにしました。今は何ページわかるかな。必死だった18歳のあの気持ちを、忘れないように。


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